■歯垢と歯石
虫歯の原因であるミュータンス菌は多くの細菌のひとつで常時口の中にいます。
しかし、口の中が十分唾液で満たされている限り、口の中は中性に保たれ増殖出来ない環境です。
歯の表面も唾液でカバーされていれば簡単に歯にくっつくことが出来ません。
しかしそこに糖分が入ってくると事態は一変します。
ミュータンス菌は糖分を取り込んで強い酸を出しながら歯の表面に貼り付きどんどん増殖して歯の表面に膜(バイオフィルム)を作り膜の中で増殖を始めます。
この段階ではまだ歯ブラシで除去できます。
ブラッシングでバイオフィルムを完全に取り去るとプラーク(歯垢)がもう一度バイオフィルムを形成するまでに24時間かかります。
その間エナメル質は唾液の力を借りて再石灰化を開始して表面の傷を修復することが出来ます。
もし、この段階で取り除かなければ、プラークはバイオフイルムの中で増殖します。
歯の根元につく歯石は増殖した細菌の死骸が石灰化したものです。
歯垢は、歯の表面、歯のくぼみ、溝についている細菌で口の中で繁殖した細菌がねばねばした物質(歯牙細菌苔=プラーク)とともに歯にくっついているもので、細菌のかたまり(バイオフィルム)と呼ばれています。
歯垢の1gの中にはおよそ1億個以上の細菌が生息しているといわれています。
歯の手入れを怠ると歯垢はだ液中のカルシウムやリンと結びついて石灰化し約2日~2週間ほどで歯石になります。
歯石は歯肉の病気を引き起こしたり、歯周病や口臭、虫歯の原因になります。
また、歯石は歯垢のように歯磨きだけでは落とすことが出来ません。
歯石を予防するには歯垢のうちに確実に落とすことが大切なのです。
歯垢や歯石を放っておくと歯茎が腫れたり、痛んだりするようになります。
さらには歯石の上にまた歯石が出来て大きな歯石となり、それが原因で歯周病となります。
もし、歯石がついてしまったら早めに歯科医院で除去してもらいましょう。
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